Web寺子屋

Share this post

「文化とは何か?」を言葉を中心に、探求してみよう

webterakoya.substack.com

Discover more from Web寺子屋

毎日が学びと発見。学ぶこと自体を楽しもう!
Over 1,000 subscribers
Continue reading
Sign in
メイン

「文化とは何か?」を言葉を中心に、探求してみよう

文化とは「具体的な構成要素の一塊」を表すタイプの抽象概念。それって、どういうこと?

toiee Lab 亀田
Aug 2, 2023
4
Share this post

「文化とは何か?」を言葉を中心に、探求してみよう

webterakoya.substack.com
Share
Article voiceover
1×
0:00
-11:33
Audio playback is not supported on your browser. Please upgrade.

今回は「文化」という言葉を掘り下げることで、Web寺子屋のミッションである「新しい視点、知識、パラダイムに触れて、日常が違って見える」を目指していきます。

文化という言葉を掘り下げることを通じて、毎日の職場や、コミュニティ、世界の見え方が変わってきて、面白いはずです。

今回は「言葉」の方面からアプローチします。なお、次回は「複雑系の科学」や「システムダイナミクス」の視点からアプローチするので、次回の内容と合わせてお読みください。

では、始めましょう。

まずは、言葉から考えてみよう

Web寺子屋2010などから親しんでくれている人には、お馴染み「言葉」から考えてみましょう。ポイントは、答えを得る前に「まず、地頭」で考えることです。

地頭で考えるとは、知っていることを総動員して、あれこれ推論することです。かっこいい言い方では 「フェルミ推定」 や「フェルミ推論」と言います。さらに、 アナロジー(類推)を駆使する なんて言い方もします。

とにかく、考えてみましょう。

似ている言葉や、漢字に注目する

文化の「文」に「化けていく」と書きます。この「化」という言葉は、最適化などでも使います。これは、特定の方向に向かい続けるようなイメージを持つ言葉です。

つまりは「文」という状態へ向かっていき続けているということです。

では、「文」とは何でしょうか?

あえて「文化」以外を調べてみる

文は「文字」や「文明」などで使います。「文人」なんて言葉もありますね。文化以外の言葉の定義を調べてみましょう。

「文化」を直接調べる前に、ちょっとだけ遠回りすることがコツです。

「文字」について考えてみる

まず、文字の定義を辞書で引いてみます。すると以下の通りです。

言語の伝達手段の一つとして使われる符号

まず、「文字」について考えてみましょう。文字は、「人の頭の中にある伝えたいこと」を、紙など(昔は木片とか、葉っぱとか)に記号で表したものです。

これを「コード化」と言います。音楽の楽譜も、現在のコンピューターがやっているとも、Webも、ChatGPTが言葉を作る作業にも、全て「コード化」が行われています。

コード化は、「ルール」によって、「この線の組み合わせは、りんご」などと、関係を創造し、共有することです。

そうやって考えると、「文字」って不思議ですよね。共有する相手がいないと不要だし、共有する相手と「同じルール」を共有しておく必要がある。

「文明」について、考えてみる

同様に、文明の定義も辞書で調べてみます。

文字をもち,交通網が発達し,都市化がすすみ,国家的政治体制のもとで経済状態・技術水準などが高度化した文化をさす

これまた面白い。「文字を持つこと」を条件としています。つまり、「文字を持たないと、文明とは呼んでくれない」ということです。

そこから考えてみると、「縄文文明」と呼ばずに、縄文文化と読んだのは、もしかしたら「文字を持たない(と考えれている)」からかもしれません。

あるいは、交通網、都市化、国家体制、経済、技術、共同体などが、そこまで発達していないと考えられたからでしょうか。それでも、そこそこ「文化」と呼ばるほどの何かがあったのだから、「縄文文化」と呼んだのかもしれません。

ちなみに、最新の研究を集めると、私が小学校や中学校で習ったものとは、かなり違います。一万年近く栄えた上に、非常にクリエイティブで、豊かだったと考えられています。どんぐりを中心とした貿易もしていたようですし、文明と呼んでも良い気もします。

まとめると「文明」と呼ぶには、

  • 文字を使う(縄文にはないらしい)

  • 交通網の高度化

  • 都市化(村の集まり程度)

  • 国家体制(縄文にはないが、平和だったかも)

が必要となるということです。では、文化は、ここまでの要求はしない。では、何が集まれば「文化」と呼べるのでしょうか?

このように、あれこれ「考えを巡らせる」ことが大切です。そうやって、考えていること自体が、新しい脳のコネクションを作り、記憶を定着させ、新しい知識を取り組む余地をつくります。

学校教育も、このように行えば、簡単に「探究型授業」ができると思います。何も、実験を多用しなくても、大掛かりなプロジェクトをしなくても、探究は、いつでもどこでもできます。

いよいよ、文化を調べてみよう

さて、お待ちかね(?)、文化について、辞書を引いてみましょう。

社会を構成する人々によって習得・共有・伝達される行動様式ないし生活様式の総体。

ここでポイントとなるのは「総体」という言葉です。単純に別の言葉で表せば「ほぼ全体」を意味します。しかし、ここでの総体とは、「いろんな構成要素が集まって、成り立つもの」です。

2つの抽象概念のパターン

細かい話ですが「抽象概念」には、いくつかパターンがあります。例えば、「りんご」という概念は、以下の図のように「具体的なリンゴ」それぞれと直接関係を結んでいます。隣の「具体的りんご」とは直接の関係はありません。

別の言い方をすると、「あるりんごが抜けた」からといって、「りんご」と呼べなくなったりしません。

一方で「総体」と読んでいる場合は、以下の図のように「いろんなものが集まった状態」に、特定の名前をつけている状態です。

複数の構成要素が集まった状態に対して、ラベルをつけるような形式の抽象概念が「文化」。どれかが欠けてしまうと、「それ」とは呼べなくなる。

この場合、構成要素の中でも重要な何かが抜けてしまうと「それ」とは呼べなくなってしまいます。

文化の場合は、「ある特定の構成要素が集まって、その集合(総体)に対して貼られたラベル(抽象概念)」というパターンです。文化を理解するには、「どんな構成要素」があると、文化なのか?を考えることがポイントとなります。

あるいは、「最小限の要素」は、何か?と考えることが、文化という言葉を定義する方法になります。

辞書に従えば・・・

辞書の定義は以下の通りです。

言語・習俗・道徳・宗教,種々の制度などはその具体例。文化相対主義においては,それぞれの人間集団は個別の文化をもち,個別文化はそれぞれ独自の価値をもっており,その間に高低・優劣の差はないとされる。カルチャー。

地頭で考えると、

  • 同じ「言語」あるいは「言葉遣い」「言葉のチョイス」「言葉に当てはめている意味」

  • 様々な行動に影響するルール、慣習、手順

  • 道徳、倫理、価値観

  • 様々な制度

これらが集まって何らかの形を成していると「文化」と呼べそうです。でも、まだ、私は「ピン」とこないんですよね。

でも、ここまで考えてみると、色々と知識が深まったように思います。

でも、もっと時間をとって「最小単位は何か?」「何を抜いてしまうと、文化と言えないか?」と考えると、あれこれ面白いと思います。例えば、

  • 別文化を持っている人が、そこに入ると「疎外感」や「別の場所だ」と明確に感じるぐらいの同調圧力、排他性があること

かもしれません。一方で、「来るもの拒まず文化」があるとしたら、それは、どう定義したらいいの?など、疑問はつきません(笑)。「来るものを拒みたい人は、拒まれる」と考えれば、排他性があると言えるでしょう。

各人、あれこれ考えてみると面白いです。

別の分野の知識で捉えるといい

実は、知識とは「同じ分野の言葉で説明しても、本質を捉えづらい」ところがあります。

例えば「複雑系の科学」や「システムダイナミクス」という分野や、組織論や、ファシリテーションの分野のものの見方、知識を使って、文化を定義したり、文化を理解すると良いと思っています。

これについては、また次回、お送りします。

まとめ

今回のポイントは2つです。

  1. 文化とは、「構成するいろんなパーツが集まって、初めて形を表す抽象概念」というタイプの言葉

  2. 文化とは、「言語、ルール、価値観、倫理観、制度、手順など」を総体として、共有している状態のもの

そして、付属の知識としては、

  • フェルミ推定(知っていることや、関係しそうなことを総動員して推論する)

  • 別分野の知識で分析することが大事かも

などです。特に「フェルミ推定力」は、今の所、ChatGPTなどにはできません(推論があやふやですので)。これこそ、人間が独創性を発揮できるところかと思います。

次回予告

「複雑系の科学」「企業文化」「システムダイナミクス」の視点から、考えてみよう。お楽しみに


Web寺子屋は、読者に支えられて運営するメディアです。是非、ご登録ください。最新の記事をお送りします。

4
Share this post

「文化とは何か?」を言葉を中心に、探求してみよう

webterakoya.substack.com
Share
Previous
Next
Comments
Top
New
Community

No posts

Ready for more?

© 2023 toiee Lab 亀田
Privacy ∙ Terms ∙ Collection notice
Start WritingGet the app
Substack is the home for great writing