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コラム

趣味とラーニングの興味深い関係とは?

没頭できる趣味は、フローを起こす要素があります。それは、同時にラーニングを引き起こす仕組みでもあります。ラーニングと趣味の関係が見えてくると、学校教育にも別のアプローチが考えられるようになります

toiee Lab 亀田
Sep 7, 2023
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ここでは、前回の「趣味とは何か?フロー理論で考える」の復習から始めます。その後に、フローの状態は「ラーニング」を絶えず引き起こすことを議論し、現代の学校教育についても触れたいと思います。

復習: 趣味とは、手段と目的が入れ替わったもの

私たちの行動は「目的」が先にあり、そのための「手段」を選びます。手段の選び方は、低コスト、少ない努力、最短など様々ですが「無駄を省く」という点では共通しています。

ところが趣味は、これとは逆です。

そもそも、「手段」が先にあり、手段を楽しくするために、あるいは手段を取り組むために「目的」を使います。いわば、手段と目的が逆になっています。

例えば、ロードバイク(スポーツ自転車)で考えてみましょう。

通常、自転車は「手段」です。スーパーまで行くため、駅まで行くために使います。ところが、趣味としての自転車は「乗ること自体」を楽しみます。

ロードバイクを趣味にしている人は、少し遠くの買い物先があると「お!乗るチャンス!」と思います。あるいは、あえて「遠くへ行く用事」を作って、自転車に乗ります。

また、レースに出る場合も、賞を獲得することを至上命題とするのではなく、あくまでも「毎日のライド(乗ること)」を楽しく、意味があるものにするためです。

趣味は、「自己完結型」です。誰かと競ったりするのも、あくまでも「乗ることが楽しくなる」ことが目的であって、勝ち負けは究極のところ、どっちでもいい状態です。もちろん、勝ちにこだわることが楽しさを生み出す時もありますが、楽しくなくなるぐらいなら、勝ち負けは捨てます。

それが「趣味」というものです。

復習: 趣味とフロー理論の関係

自己完結な取り組みである趣味を、思いっきり楽しむには「ちょうど良いチャレンジ」があると良いです。ロードバイクなら、Strava(ストラバ)というアプリを使うと、家の近くにあるセグメントと呼ばれる「タイムトライアル区間」のタイムを集計することができます。

記録に残るので、これをみて「前回よりも、早く走ってみよう!」とチャレンジしたり、近いタイムの友達を見つけて、切磋琢磨します。

趣味の場合、チャレンジは「自分で」設定するものです。誰かに強制されたりしません。また、チャレンジをあげたり、下げたりするのも自由です。チャレンジに失敗したからといって、上司に叱責されるわけでもありません。

その結果、現状のスキルに見合った「チャレンジ」を設定することができます。

趣味と「ラーニング」の関係

趣味は「チャレンジの設定」が自由です。「高いチャレンジ」をあえて設定した結果、今までとは違う世界が見えるかもしれません。

一方で、ちょうど良いチャレンジを設定することで、着実に知識やスキルをアップさせることができます。

趣味ですから「楽しむこと」が大切です。したがって、スキルレベルが上がって、チャレンジが退屈になれば、チャレンジのレベルを引き上げることになります。

その結果、常に「前は知らなかったこと、前はできなかったこと」が、できるようになります。つまり成長が、次々と起こります。

しかも、「自己完結的」なので、「どんな小さな発見でも、自分にとって楽しい成長ならOK」です。教師やコーチや上司から「それでは足りない」と言われたりしません。

結果として、小さな前進、小さな気づき、発見だけで「楽しい!」と喜んでいられます。

これが「ラーニング」です。

また、楽しいからこそ「継続」が可能です。結果として、趣味が仕事以上のスキルレベルをもたらしてくれたりもします。

ラーニング(= 趣味)を台無しにするもの

ざっとあげると

  • 過度に結果を求めること

  • 過度な競争(勝ち負けにこだわること)

  • 他人の尺度による成長の評価

  • 見栄を張る(エゴ、虚勢)

などです。

例えば、趣味の中で「勝つことにこだわり」すぎると、楽しくなくなります。また、結果を出すことに専念しすぎると、なるべく「効率的」に物事を行いたくなり、短期的には成果を出せても、長期的には燃え尽きたり、途中で嫌になったりします。

他にも、他人と比べて「虚勢」を張ったり、見栄を張ったりして、自分を無理に大きく見せようとすると、他人軸で生きることになり、不安が伴うようになります。

このような状態は、決して良い「ラーニングの状態」とは言えません。学ぶよりも、やり方を覚えて、ただ繰り返すだけになります。壁にぶつかった時、乗り越える方法が見つからなくて、挫折したりします。

趣味の構造から、学校教育やマネジメントのアプローチを見直す

趣味の構造を深く考察すると、学校教育やマネジメントの方法にも、別のアプローチがあると確信できます。

多くの学校教育では、

  • 外部評価の成績(しかも、評価の仕方が画一的で粗い)

  • 競争的

です。結果として、生徒は疑問を持つよりも、課題を繰り返した方が良いと判断し、盲目的な学習になりがちです。

同様に、仕事場でも「効率」「生産性」を重視しすぎると、社内の雰囲気は悪くなるでしょうし、思ってもみない発見などが起こる余地はなくなります。

  • 自己完結的

  • 自分で目的を設定すること

  • 自分の中での小さな発見、気づきを祝福してもらえること

などの要素を仕事にもたらすことができれば、会社の在り方は大きく変わるかもしれません。(いや、絶対に変わります)

次回は「コーヒーという趣味」をお届けします

ごちゃごちゃと趣味について、あれこれ考えてみました。

何はともあれ「趣味」を持つことは良いことです。人生が豊かになります。毎日の生活が豊かになります。人間関係や、家族のコミュニケーションが豊かになります。

あなたは、どんな趣味を持っていますか?

今の趣味へのアプローチを変えてもらうと、もっと趣味が楽しめるかもしれません。あれこれ「学ぶ必要が出てくる」ように、趣味へのアプローチを変えてもらうと良いです。

ところで、1つ提案があります。

もし、コーヒーという趣味をお持ちでないなら、「コーヒーを趣味に」しませんか?

  • 「えぇ、コーヒーが趣味になるの?」

  • 「コーヒーって、消費でしょ?」

なんて、思っていませんか?

いやいや、趣味になるんです、これが。

ということで、次回は「コーヒーという趣味」について、あれこれ書きたいと思います。

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